受賞者ビジネスプラン紹介

㈱三輪舎

地域のことは地域が発信する、共創型ローカルマガジン「route」

事業への思い

寂れていくこの土地をなんとかしたい

私の実家はひたちなかですが、高校へ進学する際、同級生は水戸へ進学する中、私は海と山に魅せられて日立を選びました。そして登山部へ入部し、県北の山々を踏破しました。人生ではじめての大きな選択をした先は日立であり、県北でした。もう20年も前のことです。

実家へ帰省するたびに県北をめぐっていますが、来るたびに寂れていくこの土地をなんとかしたいと思い続けていました。自分の生業である出版・編集と、前職(CCC)で培った人的リソースをもとに、満を持して今回事業展開していくことに決めました。

プラン概要

共創型ローカルマガジン「route」

「route(ルート)」は、地域のことを、地域が編集し、地域で共有し、地域から発信する、そして、地域を再定義する、そのための「場」となるローカルマガジンです。

県北の人口は現在40万人。何もしなければ2030年代に30万人、50年代には20万人に半減します。これは県北に限ったことではなく、全国のほとんどの地方自治体が抱える問題です。そのため、どこの自治体も人口流出を抑える施策や移住を呼び込むインセンティブを多数打ち出し、地方移住を考える若者にとっては選択肢が増えたことは確かです。ただ、それによってインセンティブのコモディティ化、つまり「どこも同じ」になっているとも言えます。だから、他の地域と差別化するために「ここだけ」の魅力をますますアピールする必要が出てきました。

土地の魅力といえば主に自然、街並み、食がそれにあたりますが、アピールさえすればあとは選ばれるかどうかで、趣味嗜好・好き嫌いの話になってしまいます。

しかしこれからのインセンティブ、つまり移住の決め手は、その土地が、「好きだと思う人がいる」×「好きだと思える場所がある」=フルサトであることです。ふつう、地縁がないと故郷とは言えないですが、「フルサト」は、これから自分で作っていく「故郷」です。好きな人達がいる場所に、自分も仲間として入っていける。そうなれば地縁も血縁も関係ありません。県北を「フルサト」として選ぶ人を増やしたい。

そのためには、人と場所の両方を、発信していくことが重要になります。そしてそれは情報ではなくノンフィクションのストーリーを、タウン誌のようにPRするのではなく、ドキュメンタリー映画のように、現実そのものを伝えていくことです。それによって、読者が「自分もその地域に入れる余地がある」ということを実感してもらいたい。